東洋医学で読み解く「眠れない体質」5タイプと対処法

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東洋医学で読み解く「眠れない体質」5タイプと対処法

はじめに

「なかなか寝つけない」「夜中に何度も目が覚める」「朝起きても疲れが取れない」。こうした睡眠の悩みは、多くの人が経験するものですが、その原因は必ずしも一つではありません。
東洋医学では、人の体質やバランスの乱れによって「眠れない」状態が引き起こされると考えます。本記事では、東洋医学に基づく5つの「不眠体質」を紹介し、それぞれのタイプに応じた、実践しやすく根拠のある対処法を解説します。

1. 気虚(ききょ)タイプ:エネルギー不足で眠れない

特徴
・日中に疲れやすい、倦怠感がある
・食後すぐに眠くなる
・眠りが浅く、よく夢を見る
・少し動くだけでも疲れてしまう
東洋医学的背景
「気」は生命活動を支える基本的なエネルギー。気が不足すると、体が回復に必要なエネルギーをうまく供給できず、眠りが浅くなったり途中で覚めやすくなったりします。
現代的視点
慢性疲労や鉄欠乏性貧血、過度なストレスなどが、日中の疲労感や睡眠の質の低下を引き起こす要因となります。疲れているのに眠れないというのが特徴です。
対処法
・食事:タンパク質と鉄分(赤身肉、レンズ豆、卵など)を意識して摂取
・生活習慣:21時以降は交感神経を刺激する作業を控える(スマホ操作など)
・栄養素:ビタミンB群、マグネシウムの補給が神経の安定に有効

2. 血虚(けっきょ)タイプ:血の不足で眠れない

特徴
・顔色が青白い
・爪が割れやすい、目が乾きやすい
・眠りが浅く、夢が多い
・生理不順やめまいを伴うことも
東洋医学的背景
「血」は心身を滋養し、精神を安定させるとされます。血が不足すると心が不安定になり、不安感や眠りの浅さを感じるようになります。
現代的視点
血虚の状態は、現代医学的には貧血、栄養不良、過度なダイエット、慢性的ストレスなどによるセロトニン不足と関連する可能性があります。
対処法
・食事:ビタミンCと鉄を一緒に摂る(例:ほうれん草+レモン、レバー+ピーマン)
・精神面:不安を感じたら「紙に書き出す」ことで脳内の情報整理を促す
・サプリ:フェリチンレベルが低い場合は鉄サプリ(医師と相談)

3. 肝鬱(かんうつ)タイプ:ストレスが原因の不眠

特徴
・寝つきが悪い、思考が止まらない
・イライラしやすい、怒りっぽい
・月経前後に睡眠の乱れが強まる
・食欲にムラがある
東洋医学的背景
「肝」は気の巡りと感情のバランスを司ります。ストレスなどで気が停滞すると、自律神経が乱れ、入眠障害や中途覚醒の原因となります。
現代的視点
心理的ストレスによる交感神経の過活動、コルチゾール分泌の乱れが、不眠の一因になります。特に女性ホルモンの変動と関連して起こりやすいのがこのタイプ。
対処法
・生活:日中に太陽光を浴び、体内時計の調整を意識
・食事:グリシンやトリプトファンを含む食品(魚介類、乳製品)を夕食に取り入れる
・マインドケア:寝る前のジャーナリングや深呼吸などで副交感神経を優位にする

4. 痰湿(たんしつ)タイプ:巡りが悪く体が重いタイプ

特徴
・寝ても疲れが取れない、起きた瞬間からだるい
・胃が重い、食後に眠気が強い
・むくみやすい、体重増加傾向
・天候や湿気の影響を受けやすい
東洋医学的背景
体内の「水(湿)」がうまく排出されず、停滞している状態。痰湿がたまることで脳や身体の活動が鈍くなり、睡眠の質も悪化します。
現代的視点
腸内環境の乱れ、インスリン抵抗性、脂質異常症との関連が示唆されています。糖質・脂質過多の食生活と運動不足が要因。
対処法
・食事:揚げ物や甘いものを控え、納豆・発酵食品で腸内環境を整える
・運動:20分程度の軽い有酸素運動(ウォーキング、階段昇降)を日常に取り入れる
・習慣:夕食は就寝2~3時間前に済ませること

5. 陰虚(いんきょ)タイプ:体が乾いて熱っぽくなるタイプ

特徴
・のぼせやすく、寝つきが悪い
・口や喉が乾きやすい
・夜中に目が覚める(特に午前2時~3時頃)
・皮膚や髪に乾燥がみられる
東洋医学的背景
「陰」は体内の水分・栄養・冷却作用を司ります。陰が不足すると、体に熱がこもりやすくなり、不安や焦燥感、不眠が起きやすくなります。
現代的視点
慢性的な交感神経優位や、プレ更年期・更年期によるホルモンバランスの乱れに近い状態。夜間のホットフラッシュや不安感が典型的。
対処法
・食事:豆乳、黒ごま、アボカド、オリーブオイルなどで体を「潤す」
・入浴:ぬるめのお湯(38〜39℃)で副交感神経を活性化
・環境:寝室の乾燥を防ぐため加湿器や濡れタオルを使用

まとめ

眠れない夜が続くと、つい「ストレスのせい」や「年齢のせい」と決めつけてしまいがちですが、東洋医学ではその背景に体質の乱れやバランスの崩れがあると考えます。まずは自分のタイプを見極め、それに合ったケアを行うことが、快眠への第一歩です。
また、「病気ではないが、なんとなく不調」という状態をとらえる未病の視点は、現代の睡眠ケアにも非常に有効です。不眠をその場しのぎで抑えるのではなく、根本から体を整えるという東洋医学の考え方は、今こそ見直されるべきではないでしょうか。
一人ひとり違う体質と向き合い、食事や生活習慣、心のケアを整えることで、薬に頼らない自然な眠りを取り戻すヒントが見つかるかもしれません。

また、眠りを整えるためには寝具選びもとても重要です。

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参考文献

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