解決のヒントは光:冬のメンタル不調に打ち勝とう!日照時間と睡眠の関係

目次

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快眠を促す適度な湿度とは?

はじめに

冬になると、「朝起きるのがつらい」、「やる気が出ない」、「食欲が止まらない」、「何となく落ち込みやすい」。
このような“冬特有の不調”を感じる人が増えます。
これは単なる気分の問題ではなく、「冬季うつ(季節性情動障害/SAD)」と呼ばれる状態の可能性があります。
そして、冬季うつと睡眠には密接な関係があります。
冬に日照時間が減ることで体内時計が乱れ、睡眠・メンタルに大きな影響を与えてしまうのです。
今回は、冬季うつの仕組みと、その対策についてお話しようと思います!

1. 冬季うつとは?

冬になると出る「気分の落ち込み」。冬季うつ(Seasonal Affective Disorder / SAD)は、秋〜冬にかけて発症し、春になると症状が軽くなる精神的コンディションのこと。症状としては:
● 朝起きられない
● 強い眠気(過眠)
● 炭水化物が無性に食べたくなる
● 気分の落ち込み
● 意欲低下
●疲れやすい
などが特徴です。特にロシアや北欧などの北国や日照時間の短い地域で発症率が高いことがわかっていますが、日本でも国立精神・神経医療研究センターの調べでは、約5〜10%の人が冬季に軽度〜中等度の季節性不調を経験しているとされています。

2. 冬季うつと睡眠の深い関係

では冬のメンタル不調にはどのようなメカニズムで陥ってしまうのでしょうか?
(1)日照不足で体内時計が遅れる
冬は日の出が遅く、日の入りが早いため、私たちの“光を感じる時間”が大幅に減ります。光が不足すると、体内時計の司令塔である
視交叉上核(SCN)の働きが弱まり、睡眠リズムが後ろにずれます。結果として:
● 朝起きられない
● 昼間ずっと眠い
● 夜に寝つけない
という状態になるのです。
(2)メラトニンが過剰に分泌される
暗い時間が長くなると、睡眠ホルモン メラトニン が必要以上に分泌され、昼間でも眠気が強くなります。これが冬季うつに見られる
“過眠(寝ても寝ても眠い)”の原因です。
(3)セロトニンの低下
ハッピーホルモンと呼ばれる セロトニン は、光を浴びることで活性化します。日照が減る冬は、セロトニン活性が落ち、
● 気分が落ち込みやすい
● イライラしやすい
● 何もやる気が出ない
といったメンタル症状につながります。睡眠の質にも影響し、“浅い眠り”や“寝ても疲れが取れない”状態を招きます。

3. 日照不足には「光」で対抗!冬季うつを防ぐ実践方法

最近の研究では日照不足による冬季うつや睡眠リズムの乱れには「太陽光に近い強い光(10,000ルクス前後)」を一定時間浴びることで改善する事が分かっています。
(1)朝の光で体内時計をリセット
朝に強い光を浴びると、体内時計が“リセット”され、メラトニン分泌が正常化します。これにより:
● 朝スッと起きられる
● 夜の入眠が整う
● 昼間の眠気が減る
といった効果が期待できます。
(2)セロトニンの活性化
光を浴びるの最大のメリットは、脳内のセロトニンが活性化し、メンタルが安定しやすくなることです。これは“心のブレーキとアクセルのバランス”を整える非常に重要な要素です。
(3)効果は早ければ数日で
米国国立精神衛生研究所(NIMH)の報告では、強い光を浴びる事による効果は1〜2週間で見られるとされ、投薬治療より素早い効果が出ることもあるそうです。
それでは具体的な実践方法をご紹介しましょう!:
✔ 朝は必ずカーテンを開ける:起きて2〜3分でOK。自然光は最も安全で有効な“光療法”です。
✔ 朝散歩(10〜15分)が最強:光、運動、呼吸。この3つでセロトニンが一気に活性化。
✔ 光療法ライトを活用:10,000ルクス前後で、朝15〜30分、顔に直接向けるのが基本。
✔ 夜は明るすぎる光を避ける:夜に強い光を浴びると体内時計が遅れます。間接照明や、暖色ライトの活用で“夜の光”を優しく。

4. メンタルを整える冬の睡眠習慣

強い光を浴びる事と合わせてすることでW効果が狙える、冬におすすめの睡眠習慣もご紹介します:
● 寝る90分前の入浴(深部体温調整)
● 軽い運動(筋肉の緊張を取る)
● 寝る前のデジタル断ち
● ホットドリンクでリラックス
光対策に加えて睡眠ケアをすることは冬のメンタル不調予防に非常に効果的です。

まとめ

冬季うつは、「日照不足→体内時計の乱れ→メラトニン過剰→睡眠障害→気分低下」という“悪循環”で起こります。
しかし、朝の光や光療法をうまく取り入れることで、このサイクルは確実に整いやすくなります。
冬の朝は暗くて寒いけれど、光をうまく使うことで、睡眠もメンタルも安定しやすくなる。
それが冬季うつ対策の大きなポイントです。
今日からできる「朝の光習慣」で、冬の気分の落ち込みをやわらげ、やさしい眠りを取り戻しましょう。

 

 

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参考文献・資料

  • National Institute of Mental Health (NIMH) “Seasonal Affective Disorder.”
  • 日本睡眠学会「光と体内時計」
  • Mayo Clinic “Seasonal Affective Disorder and Light Therapy.”
  • 国立精神・神経医療研究センター「季節性情動障害の概要」
  • Rosenthal, N. E. et al. (1984). “Seasonal Affective Disorder: A Description of the Syndrome and Initial Findings With Light Therapy.”
  • American Psychiatric Association “Light Therapy for Seasonal Depression.”

 

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