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オンドルやキムチの眠る知恵と、睡眠不足社会のリアル
はじめに
こんにちは!「世界の睡眠事情」シリーズ、今回ご紹介するのは、お隣の国、韓国。
K-POPや韓国ドラマ、コスメなどで知られるこの国には、独自の睡眠文化や生活習慣が根づいていますが、一方で、世界でも有数の睡眠時間が短い国とも言われています。
今回はそんな韓国の睡眠事情を、床暖房の「オンドル」文化や、キムチをはじめとする発酵食文化、さらには教育社会の現実などとともに紐解いていきたいと思います。
1. 睡眠時間はOECD最下位レベル?韓国の「眠れぬ現実」
韓国は、OECDが公表した各国の平均睡眠時間(2019年)で、加盟国中最下位の7時間41分という記録を持っています。特に10代の学生においては、平均5〜6時間台の睡眠しか取れていないという調査もあります。その背景には、
● 熾烈な受験競争(スジュンシク)
● 塾・自習文化(夜11時まで開いている塾も)
● 遅くまで働く大人のライフスタイル
● SNS・スマホによる夜型生活の定着
などが重なっています。

2. オンドル文化:足元から温める睡眠環境
一方で韓国には快眠の為の豊かな習慣や食文化があります。その一つが韓国独特の住宅の特徴ともいえる「オンドル」—床から温める暖房方式です。
この伝統は今でも現代建築に組み込まれており、多くの韓国人はベッドではなく布団を床に敷いて寝るスタイルを続けています。
このオンドルによる足元の温かさは、眠りに入るときに重要な「深部体温の低下」をサポートするとも言われています。
伝統的な寝方が現代でも活きているという興味深い特徴があります。
3. キムチと睡眠の意外な関係?発酵食文化の快眠効果
更に韓国人の健康な食生活で欠かせない韓国料理といえばーもちろん真っ先に思い浮かぶのがキムチですね!
発酵食品であるキムチは、乳酸菌が豊富で腸内環境を整える働きがあるとされ、実は睡眠との相性も良いとされています。
近年の研究では、腸と脳は「腸脳相関(gut-brain axis)」でつながっており、腸内環境が良いとメラトニンの生成が促進されることが分かってきました。つまり、キムチをはじめとする韓国の発酵食文化は、知らず知らずのうちに睡眠の質を支える土台になっている可能性があるのです。

4. 熾烈な教育社会と子どもたちの睡眠不足
健康や睡眠をサポートする豊かな文化や食習慣がある一方で、韓国では、子どもと若者の睡眠不足が大きな社会問題となっています。
韓国では小学生のうちから塾に通うのが当たり前。中高生になると夜10時、11時まで自習室に残る光景も珍しくありません。韓国の大学入試(スジュン)は一発勝負で決まるため、特に高校3年生の睡眠時間は平均4〜5時間とも言われています。これは心身への深刻な影響をもたらすだけでなく、国の将来にとっての大きなリスクとも指摘されています。
しかし、ようやく受験が終わった後も、韓国の若者の睡眠時間は低いままというのが現状です。
というのも、韓国では24時間営業のカフェやネットカフェ(PC방)が日常的に利用され、K-POPファンのオンライン活動やSNS文化もあり、「深夜でも起きているのが当たり前」というライフスタイルが浸透しています。また、YouTubeやTikTokなどの視聴が就寝前の日課になっている人も多く、スマホ依存・ブルーライト・過剰情報が睡眠の質を下げる要因にもなっています。
これらの問題に対して近年では政府や教育機関による「睡眠教育」も始まっていますが、改善にはまだ時間がかかりそうです。
まとめ
韓国の睡眠事情は、一見すると「問題だらけ」に見えるかもしれません。
しかし、その中には、温熱環境に優れたオンドル文化や、腸を整える発酵食品の知恵といった、
現代人が見習うべき要素もたくさんあります。
一方で、競争社会の中で眠ることが軽視されがちな現実は、私たちの国にも共通する課題です。
眠りは文化の一部であり、生活のリズムの映し鏡。
韓国の睡眠を通して、「自分らしい休息の形」をあらためて見つめ直してみてはいかがでしょうか。
眠りを整えるためには寝具選びもとても重要です。
体に合ったマットレスや枕を使うことで、
睡眠の「質」はぐっと高まります。
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引用文献・参考資料
- OECD – Average Sleep Duration (2019)
https://stats.oecd.org/ - Korean Sleep Research Society
https://www.sleep.or.kr/

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