世界の睡眠事情:ドイツ編~“睡眠衛生”が日常に根づく国

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“睡眠衛生(Schlafhygiene)”が日常に根づく国とは?

はじめに

こんにちは!「世界の睡眠事情」シリーズ、これまでアジア、オセアニア、アメリカと各国の睡眠文化を紹介してきましたが、今回はヨーロッパの中心—ドイツです。
ドイツといえば“几帳面”“効率的”“時間を守る”というイメージがありますが、その価値観は「睡眠」にも深く根づいています。
特に注目すべきは、ドイツ発祥の概念 「Schlafhygiene(シュラーフヒュギエーネ)」=睡眠衛生。この言葉は、世界中の医療・教育・健康分野に広まり、睡眠による生活の質向上に貢献してきました。ドイツ発祥の概念、睡眠衛生とは一体どんなものでしょうか?それでは早速見ていきましょう!

1. 「Schlafhygiene(睡眠衛生)」とは?

睡眠衛生とは、「よく眠るための環境や習慣を整えること」。
ドイツではこの考えが100年以上前から医療や教育の現場で使われています。
主なポイントは以下の通りです:
● 毎日決まった時間に寝起きする
● 寝室は静かで暗く、18〜20℃程度を保つ
● 寝る前にアルコールやカフェインを摂らない
● スマホ・パソコンは寝室に持ち込まない
● 寝る直前の思考・議論・仕事は避ける
つまり、「規則正しさと環境づくり」こそが最良の眠りを生む という発想です。

2. 睡眠を“生活の一部”として尊重する社会

ドイツ人の生活は「働く時は集中し、休む時はきちんと休む」というリズムで成り立っています。労働時間の厳格な管理、長期休暇の徹底、そして「夜の静寂(Nachtruhe)」の文化—これらすべてが、質の高い睡眠を支えています。
特に住宅地では、夜22時以降に騒音を立てることが法律で禁止されており、ドイツ全土で“静かな夜”が守られています。

また、子どもの生活リズムを整えることについても教育の一環として非常に重視されており、幼稚園や学校では「早寝早起き・画面制限・朝の光を浴びる」などの習慣が自然に身につくよう指導されます。
親たちの間では「Kinder brauchen Schlaf(子どもには睡眠が必要)」という言葉が浸透しており、夜9時以降に子どもを起こしておくことは“育児上よくない”とされるほどです。
このような社会的合意が、「眠りは個人の権利であり、尊重されるべきもの」という意識を定着させているのです。

3. 科学と睡眠研究の国

ドイツは、ヨーロッパの中でも睡眠医学研究が盛んな国のひとつです。
ベルリンのCharité大学病院やミュンヘンのMax Planck Institute of Psychiatryでは、睡眠障害や体内時計の研究が世界をリードしています。特に注目されるのが、
● メラトニン分泌と光環境の研究
● 昼寝(Power Nap)の効率的導入
● シフトワークと睡眠負債の関係
といった“実生活と直結するテーマ”。

科学的データをもとに、医師や企業が「個々の睡眠改善プログラム」を提供していますし、「睡眠=健康の指標」として定期健診のチェック項目にもなっています。
そのため、企業研修でも「ストレスマネジメント」や「睡眠衛生教育」が導入され、睡眠不足がパフォーマンス低下につながることが常識として共有されています。
こういった背景から“眠れない”ことを我慢せず医師に相談する人も多く、睡眠専門クリニック(Schlaflabor)は全国的に普及しています。

4. ベッドルーム文化にも現れる合理主義

ドイツの寝室は、まさに「シンプル&機能的」。
ベッドは硬めのマットレスに個別の掛け布団(Einzelbettdecke)を使うのが一般的です。
夫婦でも同じベッドに別々の布団を使うのは、「相手の寝返りや温度差で眠りを妨げない」ため。
また、寝具メーカーの品質意識も非常に高く、TEMPUR、Röwa、Paradiesなどドイツ発ブランドは、世界中で“高品質な眠り”の代名詞となっています。

まとめ

ドイツの睡眠文化は、「規律・科学・健康意識」が見事に融合したスタイルです。
● 睡眠衛生(Schlafhygiene)の考え方が生活に根づいている
● 静寂や休息の権利が社会全体で守られている
● 科学的研究と医療体制が睡眠を支えている
ドイツの睡眠衛生は現在の世界の睡眠文化の基盤となっています。

 

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参考文献・資料

  1. Deutsches Schlafinstitut (German Sleep Research Society).
    Schlafhygiene und Gesundheit – Grundlagen und Empfehlungen. (2023)
    https://www.dgsm.de
  2. Charité – Universitätsmedizin Berlin.
    Sleep Medicine and Circadian Research Unit. (2022)
  3. Max Planck Institute of Psychiatry.
    Chronobiology and Sleep Disorders Research. (2021)
  4. Bundeszentrale für gesundheitliche Aufklärung (BZgA).
    Gesunder Schlaf: Empfehlungen für Alltag und Familie. (2023)
    https://www.bzga.de
  5. Tempur Deutschland GmbH.
    Ergonomisches Schlafen und Matratzenforschung. (2022)
  6. OECD Better Life Index.
    Sleep and Life Satisfaction – Country Data: Germany. (2020)

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