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睡眠を削ってでも勉強は逆効果?
「もう少しだけ勉強したい」「あと1ページだけ覚えたい」―受験期になると、多くの子どもたちが睡眠時間を削って勉強しようとします。
しかし、最新の研究では、睡眠不足は学習効率を下げ、集中力・記憶力・感情の安定を損なうことが明らかになっており、これについては聞いたことがある方も多いと思いますが具体的にはどういうことでしょうか?
大人もそうですが、特に発達段階にある小・中学生の脳は、眠りの中で育ち、記憶を定着させる仕組みを持っています。
これは要するに「寝る時間を削る=学んだことを失う」リスクがあるということです。
1. 小学生の睡眠と学習:眠りが“勉強力”を作る
小学生の脳は成長の真っただ中にあり、睡眠中に分泌される成長ホルモンと記憶の整理が非常に重要です。
ノンレム睡眠(深い眠り)の間に、日中に覚えた情報が海馬から大脳皮質へと移動し、長期記憶として定着します。
睡眠を削ると…
● 翌朝には学習内容を忘れやすくなる
● 注意力が続かず、ケアレスミスが増える
● 感情が不安定になり、やる気を失いやすい
特に小学生の受験期(中学受験)では、「夜更かしで頑張る」よりも「早寝・早起きで脳を整える」方が圧倒的に効果的です。
睡眠時間の目安(日本小児科学会)
小学生:9〜11時間
小学6年生でも最低9時間以上が理想的。
「夜9時就寝・朝6時起床」が脳と体のリズムに最も合っています。
2. 中高生・大学受験生:夜更かしの「がんばり」は逆効果
思春期の脳は体内時計のリズムが変化し、「夜型化」しやすい傾向があります。
しかし、学校の始業は早いため、結果的に慢性的な睡眠不足に陥る生徒が多いのです。
睡眠不足による影響:
● 記憶の統合が不十分になり、暗記効率が下がる
● 集中力・判断力が低下し、テスト中のケアレスミスが増加
● 感情コントロールが難しくなり、不安・イライラが増える
● 体調不良・免疫低下による欠席リスクも上昇
アメリカ睡眠財団の報告では、毎晩7時間未満の睡眠を続ける高校生は、成績が平均より低下する傾向が見られました。
3. 「寝ながら記憶する」脳の仕組み
睡眠には2種類の重要な段階があります。
ノンレム睡眠(深い眠り):知識や暗記内容を定着させる
レム睡眠(浅い眠り):感情の整理や創造的発想を促す
この2つを繰り返すことで、学習した内容が「理解→記憶→定着」へと整理されます。
つまり、「寝ること」は勉強の“仕上げ”なのです。
4. 受験生と親が気をつけたい生活ポイント
(1)就寝・起床リズムを整える
毎日同じ時間に寝て起きる習慣を。
「休日に寝だめ」は体内時計を乱す原因に。
(2)夜のスマホ・PC使用を控える
ー ブルーライトはメラトニン分泌を抑制し、入眠を遅らせます。
ー 寝る1時間前は「デジタル機器オフ時間」を設けましょう。
(3)勉強は“夜より朝”がおすすめ
ー 睡眠で脳がリセットされた朝は、集中力と記憶力がピーク。
ー 夜の追い込みより、早寝して朝型に切り替える方が成果が出やすいです。
(4)昼寝(パワーナップ)の活用
ー 昼食後の眠気が来たら、15〜20分の仮眠を。
ー 記憶力・集中力の回復に効果的です。
(4)保護者ができるサポート
ー 「早く寝なさい!」より、「眠るのも勉強のうち」という声かけを。
ー 勉強時間よりも「集中の質」を重視。
ー 夜型の勉強ではなく、「朝型リズム」に生活をシフト。
ー 家族全体で照明・スマホ利用・就寝時刻を整える。
まとめ
睡眠不足は、記憶力・集中力・やる気すべてに悪影響。
小学生でも「9時間以上」、中高生は「8時間以上」が最低ライン。
勉強時間を増やすより、脳が働く環境=十分な睡眠を整えることが大切です。
「眠りながら伸ばす」勉強こそ、受験生の新しい常識。
“睡眠は、最強の勉強法”——受験を乗り越えるために、まず眠りを味方につけましょう。
眠りを整えるためには寝具選びもとても重要です。
体に合ったマットレスや枕を使うことで、
睡眠の「質」はぐっと高まります。
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参考文献・資料
- 日本小児科学会「子どもの睡眠指針」
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「子どもの睡眠」
- Curcio G, Ferrara M, De Gennaro L. Sleep loss, learning capacity and academic performance. Sleep Medicine Reviews. 2006.
- Dewald JF, Meijer AM, et al. Sleep habits and academic performance in youth. Curr Opin Psychol. 2017.
- Owens JA. Insufficient sleep in adolescents: Causes and consequences. Sleep Med Clin. 2022.
- Hirshkowitz M, et al. National Sleep Foundation’s sleep duration recommendations. Sleep Health. 2015.
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