夜の家事が睡眠に与える影響―共働き世代が疲れがちな理由

目次

この記事は 約5分 で読めます。

夜の家事が睡眠に与える影響とは?

はじめに

仕事を終え、夕食を作り、片付け、洗濯、明日の準備…。
共働き家庭では、家事の多くが“夜”に集中しがちです。
その結果、「気づいたら22時すぎ」、「頭が冴えて眠れない」、「ベッドに入っても疲れが取れない」と感じる人が増えています。
実は、夜の家事が睡眠の質を下げる原因になっていることをご存じでしょうか?
今回は、夜の家事が脳と体に与える影響と、睡眠の質を守るための具体策をご紹介します。

1. 夜の家事が“眠れない体”をつくる理由

そもそも夜の家事が睡眠の質を下げるとはどういうことでしょうか?
(1)交感神経が活発になり、寝るモードに切り替わらない
家事は意外と“頭と体を使う作業”です。料理、片付け、洗濯物たたみ、明日の準備…。
これらは副交感神経(リラックス)ではなく、交感神経(活動モード)を強く刺激します。特に
● 時間に追われる=「早く終わらせなきゃ」という焦り
● マルチタスク
が重なると、脳は“戦闘モード”に入ります。その結果、交感神経が優位になり、ベッドに入っても
➡ 心拍数が高い
➡ 呼吸が浅い
➡ 深部体温が下がらない
ため、寝つきが悪くなる原因に。
(2)ブルーライト+家事で脳が活動状態に
家事の合間にスマホでSNSやニュースを見る人も多いでしょう。この「家事×ブルーライト」の組み合わせは最悪。
ブルーライトは睡眠ホルモン メラトニン の分泌を抑え、家事で高ぶった交感神経をさらに刺激してしまいます。
(3)夜遅い時間に食器洗いや洗濯 → 生活音で覚醒
夜の家事は音が出やすく、脳はこの「生活音」を無意識に危険信号として拾います。特に繊細な人は、
● 水音
● 洗濯機や乾燥機の音
● 戸棚の開閉
などをストレスとして感じ、眠りが浅くなりやすい傾向にあります。
(4)家事後の“体温上昇”が眠りを妨げる
掃除・片付け・洗濯物干しは、軽い運動に匹敵します。家事を終えた直後は深部体温が上がり、体温が下がり始めて初めて眠気が出るため、家事を寝る直前に行うと入眠が遅れます。つまり、「寝る前の家事=寝る準備に逆行」している状態なのです。

2. 共働きでも睡眠を守る!夜の家事の“正しい分散術”

かといって共働きでふたりとも日中働いているとなるとどうして夜に家事をする必要が…。朝にするという手もありますが、朝はなにかと忙しい…。夜に全くやらないわけにはいかないですよね。それなら少しでも負担になる家事を軽減する工夫をしてはいかがでしょうか?
①「夜やらなくても死なない家事」を分ける
すべてを夜に詰め込むと睡眠は確実に悪化します。夜にやる必要がない家事:
● 洗濯物たたみ
● 翌日の献立決め
● 掃除機がけ
● まとめ買いの整理
● 書類整理
これらは翌朝や週末に回してOK。睡眠は生活の基盤なので、優先度の低い家事は後ろにずらす勇気を。
② “家事のピーク”を夕食後すぐに集約
理想は、21時以降に家事を残さない。
夕食後 60〜90分以内に料理・片付け・洗濯など「大きい家事」を終わらせると、寝る前に副交感神経が戻りやすくなります。
③ 家事を“ルーティン化し、ストレス軽減
ToDoが頭で散らかっていると脳が休まりません。ルーティンにすると、作業中のストレスが大幅に減ります。例:
月水金 → 洗濯
火木 → お風呂掃除
土 → まとめ買い
毎晩 → 台所リセットだけ
“毎日全部やろう”の呪縛を手放すだけで、睡眠が変わります。
④ 寝る1〜2時間前は「低刺激家事」のみ
寝る直前におすすめな家事はこれだけ
● 洗濯物を取り込んで“しまうだけ”
● ゴミをまとめる
● お風呂を沸かす
手を動かしつつ脳は休める“ゆるい家事”が最適です。

3. 「夜の家事→睡眠の質低下」を防ぐ具体策

睡眠の質の妨げとなる家事を少しでも軽減する工夫とともに、睡眠前の環境を整えることで効果はよりアップします:
部屋の照明を暖色にする(家事の途中でも)
照明を**電球色(2700K以下)**に変えると、メラトニンの分泌が妨げられにくくなり、家事中でも脳が落ち着きます。
「終わりの時間」を決める(21:30ルール)
終わらない家事はどこまでも終わりません。時間で切ることで、夜の覚醒を防げます。
スマホは家事後30分“触らない”
家事の興奮+ブルーライトは眠りの最大の敵。スマホは22時以降は別室に置くのがベスト。
白湯・ハーブティーでクールダウン
副交感神経を高め、体温をゆるやかに下げ、家事後の“高ぶり”を解消します。

まとめ

夜の家事は、
● 交感神経の活性化
● 体温上昇
● ブルーライトの刺激
● 生活音ストレス
により、睡眠の質を下げる大きな要因となります。しかし、
 家事の分散
ー ルーティン化
ー 寝る前の“低刺激家事”への切り替え
ー 夜の照明・スマホ・体温コントロール
を取り入れるだけで、忙しい共働き世代でも 「眠りを壊さずに家事を回す生活」 が実現できます。夜の家事に追われていた毎日から、“ゆっくり眠れる夜”を取り戻す一歩を始めてみませんか?

 

眠りを整えるためには寝具選びもとても重要です。
体に合ったマットレスや枕を使うことで、
睡眠の「質」はぐっと高まります。
当社では、“こんな眠りが欲しかった”をコンセプトに、快適な寝具をご提案しています。
ご興味のある方は、ぜひ一度チェックしてみてくださいね。
▶︎ グースリーマットレスで快眠体験へ

参考文献・資料

  1. American Academy of Sleep Medicine (AASM).
    “Evening Activities and Their Impact on Sleep Quality.” 2021.

  2. National Sleep Foundation.
    “How Stress and Evening Routines Affect Sleep.” 2020.

  3. 日本睡眠学会(Japanese Society of Sleep Research)
    『睡眠と生活習慣に関するガイドライン』2022.

  4. 国立精神・神経医療研究センター(NCCMH)
    「ストレスと睡眠の相互関係:自律神経の観点から」2021.

  5. 厚生労働省(Ministry of Health, Labour and Welfare)
    『健康づくりのための睡眠指針 2014』
    (夜間の交感神経活性化と睡眠障害についての項目を参照)

  6. University of California, Berkeley – Sleep & Stress Lab.
    “Mental Load, Cognitive Overactivity, and Sleep Disturbance in Working Adults.” 2019.

  7. OECD Gender Equality Report.
    “Time Use in Dual-Income Households and Its Effects on Well-being.” 2020.
    (共働き家庭における夜の家事負担とストレスのデータを参照)

  8. Harvard Medical School – Division of Sleep Medicine.
    “Blue Light, Evening Exposure, and Circadian Delay.” 2022.

  9. European Journal of Behavioral Sciences.
    “Rumination, Household Responsibilities, and Sleep Latency in Working Parents.” 2021.

 

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

CAPTCHA


TOP