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どれぐらい眠れば記憶は定着するのか?
「脳は寝ている間に記憶を整理する」一聞いたことある方も多いかと思います。仕事にしろ勉強にしろ、学んだ知識を“長期記憶”として定着させるには、睡眠が不可欠です。特に暗記においては「どれだけ勉強したか」ではなく「どれだけ覚えられたか」が勝負。
そういった意味では、前回のブログ 「睡眠を削ってでも勉強」は逆効果?受験生が気をつけたいことでもお伝えした通り、覚えるために寝る時間を削る…という選択は、実は逆効果になり得ます。
ではどれぐらい寝れば記憶は定着するのでしょうか?本記事では、記憶が定着するための睡眠時間・睡眠の質・そして学びと眠りをつなぐポイントを探りたいと思います!
1. 睡眠と記憶の関係:定着するまでのメカニズム
私達がなにかを学習して得た知識は、その直後はまだ「短期記憶」にすぎません。そこから脳内において“長期記憶”に移行する過程を 記憶定着(メモリー・コンソリデーション) と呼び、この過程に睡眠は深くかかわっています。
例えば、ノンレム睡眠(特に深い眠り=スロー・ウェーブ睡眠)では、日中に得た知識を整理・統合し、レム睡眠では感情や創造性を伴う記憶処理をし、「覚えた内容」に意味を持たせる、といった作業が脳で行われています。
睡眠不足や短時間睡眠が続くと、この定着プロセスが阻害され、学んだことが記憶に結びつかない、といったリスクがあります。
つまり、ただ「時間をかけて暗記する」だけでなく、「眠って覚える」のが賢い学びのメソッドなのです。

2. どれくらい眠れば記憶は定着するのか?
研究によれば、睡眠時間が少ないと記憶定着や認知機能に明確な影響が出ています。
例えば、10~14歳を対象にした研究では、睡眠したグループは“あまり眠らないグループ”に比べて 20.6%も記憶テストの成績が良かったという報告があります。
成人も、睡眠が6時間未満だと記憶改善が有意に起きなかったというデータがあります。
年齢や個人差はありますが、学習目的で良質な記憶を得たいなら:
小学生~中学生:9~10時間以上
高校生:8~9時間以上
は必要と言われています。成人でも、7時間以上がひとつの基準として多くの研究で支持されています。
また、睡眠時間だけでなく、「就寝時間が早め」「寝る時間が安定している」ことで、脳のパフォーマンス向上が見られるという研究や、学習後すぐ眠ることで、記憶定着が促されるといった報告もあります。たとえば、習得直後に夜眠った子どもは、昼間過ごした子どもより成績が良かったという研究結果があります。
3. 眠りの質と記憶定着
睡眠時間はもちろん重要ですが、眠りの質も同じくらい大切です。
睡眠が断片化(中途覚醒が多い)と、記憶定着機能が低下します。
深いノンレム睡眠(スロー・ウェーブ睡眠)中には、海馬と大脳皮質が連携し、学んだ情報が“しまわれる”と考えられています。
レム睡眠では、感情をともなう記憶や創造的結びつきが強まるため、単なる暗記だけでなくアイデアや理解を深めたい場合は特に大事です。

4. 学習と眠りをつなぐための実践法
それでは受験生・勉強中の方が“眠りを味方にする”、具体的な方法を紹介します。
学習直後に寝ることを意識する:夜に勉強したら、間をあまり長くせずに就寝することで記憶定着を助けます。
就寝・起床の時間を一定に保つ:毎日リズムを揃えることで、脳が整理モードに入りやすくなります。
就寝前の刺激を減らす:スマホ・ゲーム・SNSを寝る1時間前には控え、落ち着いた習慣に。
昼寝(パワーナップ)を賢く活用:15~20分程度の仮眠を取り入れると、午後の記憶力・集中力をブーストできます。
“量”より“質”の学習を:長時間机に向かうことよりも、睡眠・集中・復習をセットにする方が効率的です。
まとめ
睡眠は学びを“ただしただけ”で終わらせず、“根付かせる”ための必須プロセスです。
十分な時間(年齢に応じて8〜10時間が目安)と質(深い眠り・安定したリズム)を確保することで、記憶や学習効果が大きく変わります。
睡眠は「勉強の敵」ではなく、「学びの味方」。
最後にもう一度心に留めてほしいのは:“眠って学び、翌朝に伸ばす”
この習慣を取り入れることで、より効率的な勉強が可能になるはずです!
眠りを整えるためには寝具選びもとても重要です。
体に合ったマットレスや枕を使うことで、
睡眠の「質」はぐっと高まります。
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参考文献・資料
“Curcio G, Ferrara M, De Gennaro L. “Sleep loss, learning capacity and academic performance.” Sleep Medicine Reviews. 2006.
“Both Duration and Timing of Sleep are Important to Memory.” PLoS One. 2012.
Stickgold R, Walker M, et al. “Sleep On It | NIH News.” NIH News in Health. 2013.
Sleep Foundation. “How Memory and Sleep Are Connected.”
“Sleep Deprivation and Memory: Meta-Analytic Reviews.” PMC. 2022.

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