Scott Eckettは、バーンスタプル(イギリス)を拠点に活動するパーソナルトレーナー&オンラインコーチ。糖尿病の改善、栄養、睡眠の最適化、行動変容を専門としています。イギリスのスポーツ&フィットネス指導者団体「CIMSPA(公認スポーツ・フィジカルアクティビティ管理機構)」のメンバーでもあり、持続可能な習慣を身につけ、長期的な変革を実現するためのサポートを行っています。
この記事は The Impact of Exercise on Sleep: Tips for Better Sleep, Rest and Recoveryの翻訳転載です。著者の Scott Eckett さんの許可を得て公開しています。
目次
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運動が睡眠に与える影響:より良い睡眠と回復のためのヒント
はじめに
睡眠に悩む人は3人に1人。でも、運動がその鍵になるかもしれません。
メンタルヘルス財団の調査によると、イギリスでは成人の3人に1人が「良質な睡眠を取れていない」と感じています。
しかし朗報があります。それは規則的な運動が、休息と回復の質を高めるカギになるということ。ここでは、運動が睡眠にどう影響するのか、そして日々の生活にどう取り入れればよいかをご紹介します。
運動と睡眠の科学的な関係
定期的な運動は、睡眠の時間と質を向上させることが研究で明らかになっています。
その大きな理由のひとつが「体内時計(サーカディアンリズム)」の調整です。運動によってこのリズムが整い、「寝たい時間に眠り、起きたい時間に目覚める」ことがスムーズになります。
さらに、運動はストレスや不安を和らげる効果もあります。運動によって分泌されるエンドルフィンは気分を安定させ、リラックスを促進します。また、ストレスホルモン「コルチゾール」のレベルも低下し、睡眠の妨げを軽減します。
運動のタイミングが重要
運動は睡眠に良い影響を与えますが、いつ行うかによってその効果は異なります。
特におすすめなのは、午前〜午後の時間帯の中〜高強度の運動です。
このタイミングで体を動かすことで、日中はスッキリ目が冴え、夜にはぐっすり眠れる傾向があります。
ただし、就寝直前の激しい運動は逆効果になることも。アドレナリンの分泌や心拍数の上昇によって、かえって眠りにつきにくくなる場合があります。
とはいえ、体質やライフスタイルには個人差があります。中には、ヨガやストレッチのような軽い運動を夜に行うことでリラックスできる人もいます。大切なのは、自分の体の反応を観察しながら、最適なタイミングを見つけることです。
睡眠の質を高めるおすすめの運動
運動といってもさまざまですが、睡眠改善に効果的なタイプは以下の通りです:
– 有酸素運動:ランニング、サイクリング、水泳などは、深い睡眠を促し、身体の回復や脳の働きを助けます。
– 筋力トレーニング:ウェイトトレーニングや自重運動は、ストレスの軽減や筋肉回復を通じて睡眠の質を向上させます。
– マインドフルネス系の運動:ヨガ、ピラティス、太極拳などは、動きと呼吸を組み合わせることで心身のリラックスを促進し、睡眠前の準備として最適です。
運動を活かして睡眠を整えるヒント
1. 継続がカギ
週に合計150分以上の中強度運動を目安に。習慣化することで、睡眠の質が安定してきます。
2. 体の声を聞く 夜の運動で目が冴えてしまうなら、朝や昼に切り替えて。逆に夜のストレッチがリラックスになるなら、それを続けてOK。
3. クールダウンを取り入れる 運動後はストレッチや深呼吸、瞑想などで副交感神経を優位にし、眠りに向かう準備を。
4. 過度なトレーニングはNG 頑張りすぎると逆に疲労や不眠の原因になることも。回復の時間もしっかり取りましょう。
5. 睡眠衛生も整える 運動だけでなく、毎日の睡眠習慣(就寝時間の固定、寝室の環境、ブルーライトの制限など)も整えることが大切です。
まとめ
運動は、睡眠の質向上・ストレス軽減・健康維持に欠かせない強力なツールです。
大切なのは、「どんな運動を、いつ、どのように取り入れるか」を理解し、自分に合った方法を見つけること。
朝のランニングが合う人もいれば、夜のヨガで落ち着ける人もいます。
自分にとってのベストなスタイルを見つけ、継続することが、健やかな眠りと元気な毎日への第一歩です。
▼ さらに深く知りたい方はこちら
→ 睡眠と運動の科学
▼ 睡眠状態をチェックしたい方はこちら
→ エプワース眠気尺度( Epworth Sleepiness Scale assessment )でセルフチェック
▼ 科学的アドバイスが欲しい方はこちら
→ 専門家による 個別睡眠コーチングや ブログ記事もぜひチェックしてみてください。
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