世界の睡眠事情:フィジー~南国のスローな睡眠文化

目次

この記事は 約5分 で読めます。

南国ならではのスローな睡眠文化とは?

はじめに

こんにちは!「世界の睡眠事情」シリーズ、今回は筆者も一度は訪れたいと思っている南太平洋の島国、フィジー に焦点を当てたいと思います。青い海と豊かな森に囲まれたフィジーでは、時間を「管理」するのではなく、「感じる」ように暮らす人々が多くいます。
その生き方は、睡眠にも深く影響しており、“南国のゆるやかな夜” に息づく独自のリズムがあるのです。

1. 「Fiji Time(フィジータイム)」という生き方

フィジーでは、“Fiji Time(フィジー・タイム)”という言葉があります。
これは「急がない」「焦らない」「そのときが来たらやればいい」という、時間をゆるやかに捉える考え方を表します。
人々は時計を気にせず、太陽の昇り沈みに合わせて生活。
朝は自然の光で目を覚まし、昼は強い日差しを避けて休み、夜は家族や近所の人たちとゆったり過ごした後に眠ります。
この“時間の余白”こそが、ストレスの少ない睡眠習慣を生んでいるのです。

2. 屋外と一体化した睡眠スタイル

フィジーの多くの家庭では、風通しの良い木造の家や、海辺に近いバンガローで眠ることが一般的です。
冷房よりも自然の風と音を活かすことを好み、波の音やヤシの葉のざわめきを聞きながら眠るスタイルが根づいています。
また、地方ではいまも屋外にマットを敷いて眠る習慣が残っており、家族や友人と同じ空間で寝る“共眠文化”も珍しくありません。
この“人と自然が溶け合う睡眠”が、フィジーの人々の穏やかな性格を育んでいるとも言われています。
筆者には留学時代、苦楽を共にしたフィジー人の親友がいるのですが、とてもおおらかで朗らかな人柄です。

3. 「Bulaスピリット」と心の安らぎ

フィジーの人々は「Bula!(こんにちは)」という挨拶を、笑顔で何度も交わします。
この“Bulaスピリット”は、ポジティブな心と他者への思いやりを表す言葉。
その精神は、睡眠文化にも反映されています。
彼らにとって眠りとは、一日の感謝を胸に「心をリセットする時間」。
寝る前には、家族で笑いながら語り合ったり、感謝の祈り(Lotu)を唱えたりして、心を穏やかにしてから眠りにつきます。
心理学的にも、こうした“ポジティブな感情で1日を終える”習慣は、入眠をスムーズにし、睡眠の質を高めることが知られています。

4. 眠りを支える「島の生活リズム」

フィジーでは、都市部を除けば夜はとても暗く、静かです。
電灯の数が限られている地域では、夜9時前後にはほとんどの人が眠りにつき、朝は5時〜6時に自然に起きます。
日中は暑さを避けるため、昼寝を取る人も多く、1日2回眠る“分割型睡眠(Biphasic Sleep)”が一般的です。
この“自然光中心の生活”は、メラトニンの分泌を整え、体内時計の乱れを防ぐ役割を果たしています。

しかし、現代の生活様式はフィジーの人々の生活スタイルを変えつつあります。
近年、首都スバや観光地ナンディでは、観光産業の発展とともに夜型の生活が増えています。
ホテルスタッフやナイトバー勤務者の睡眠不足が社会問題化し、フィジー政府は「職場における睡眠の重要性」を啓発する取り組みを始めました。それでも、地方の人々の間では依然として“自然と共に眠る”リズムが続いており、都市と地方の「睡眠格差」が他国に比べ少ないのが特徴です。

まとめ

フィジーの睡眠文化は、南国の自然・人の温かさ・スローライフが生み出した“癒しのリズム”です。
そのため、眠ることも「生き方の一部」であり、「よく眠る=よく生きる」という考えが自然に息づいています。
ストレス社会に生きる私たちにとって、この“Fiji Time”の考え方は、心の睡眠衛生を取り戻すヒントになるかもしれません。
● 時計ではなく、自然に合わせて眠る
● 風・波・家族のぬくもりと共に過ごす夜
● 「心を整えて眠る」Bulaスピリットの習慣
現代社会が忘れつつある“ゆるやかな眠り”を、フィジーの人々は当たり前のように実践しています。

 

眠りを整えるためには寝具選びもとても重要です。
体に合ったマットレスや枕を使うことで、
睡眠の「質」はぐっと高まります。
当社では、“こんな眠りが欲しかった”をコンセプトに、快適な寝具をご提案しています。
ご興味のある方は、ぜひ一度チェックしてみてくださいね。
▶︎ グースリーマットレスで快眠体験へ

参考文献・資料

  1. University of the South Pacific.
    Sleep and Lifestyle in Pacific Island Communities. (2023)
  2. Fiji Ministry of Health and Medical Services.
    National Sleep and Well-being Report. (2022)
  3. Pacific Islands Forum Secretariat.
    Traditional Living Rhythms and Health in Fiji. (2021)
  4. BBC Travel.
    How “Fiji Time” Teaches the World to Slow Down. (2022)
  5. World Health Organization (WHO) Western Pacific Office.
    Circadian Health and Climate Adaptation in Island Nations. (2020)

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

CAPTCHA


TOP