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睡眠不足は筋肉に悪影響?
はじめに
「寝不足だと筋肉が落ちる」とどこかで耳にしたことはありませんか?
最近の研究では実際、睡眠は筋肉の修復(合成)と分解のバランスに深く関わりがある事が分かってきているそうです。
この記事では、最新研究の知見をもとに なぜ睡眠不足が筋肉にとってマイナスなのか、そして 今日からできる快眠対策 をご紹介したいと思います!
1. 睡眠不足で筋タンパク合成が下がる
若年者を対象にした筋肉の合成と分解の研究の結果によると、一晩徹夜した若者は筋タンパク合成速度が一般的に必要とされる睡眠を取った時に比べ約18%低下。同時に 筋肉合成を促すホルモン「テストステロン」の分泌の低下(–24%) と、筋分解において役割の一端を担うコルチゾール分泌の上昇(+21%)が観察され、ホルモン環境は“分解優位”に傾いたそうです。
さらに、複数日の睡眠不足(例:5時間睡眠を数日)では筋タンパク合成の低下が進行し、高強度運動を加えても完全には回復しなかったという報告があります。
2. ホルモン分泌の視点による睡眠不足と筋肉の関係
上記の事から、ホルモンと代謝の視点による研究レビューでは、睡眠不足は以下の変化をもたらすとされています:
アナボリック低下:
体内で筋肉や骨などの組織を合成する働き(アナボリズム)が低下。これは、成長ホルモン(GH)やテストステロンの分泌の低下により引き起こされますが、睡眠中に分泌が最大となる成長ホルモンやテストテロンにとって睡眠不足は大敵です。
カタボリック亢進:
カタボリック亢進とは、体内の筋肉や脂肪などの組織が過剰に分解される状態のことです。この状態になると、筋肉の合成作用(アナボリズム)よりも分解作用(カタボリズム)が優位になり、筋肉量が減少します。睡眠不足の状態に陥るとストレスホルモンであるコルチゾールの分泌が上昇、コルチゾールは筋肉分解を促すユビキチン–プロテアソーム系のホルモンを活性化させます。
つまり、睡眠不足になると、筋肉の合成効率は下がり、逆に分解効率は上がる ⇒ 筋量に不利 という仕組みが考えられます。
3. パフォーマンスへの影響
統計的レビューによれば、単発の徹夜では筋力への影響は限定的だそう。
しかし、連続した睡眠制限になると筋肉の回復効率が低下するという報告があります。
つまり「1回の徹夜で筋肉がなくなるわけではない」けれども、慢性的な睡眠不足が続くとトレーニング効果が落ちると理解するのが妥当です。そういう意味では「睡眠を削って朝の筋トレ」をする事は本末転倒と言えます。
睡眠不足は長期の筋発達にブレーキをかけてしまう事になります。スケジュールの都合でやむなく睡眠を削るなら頻度を微調整して、まずは睡眠の確保を優先しましょう。
4. 快眠で筋肉を守るための実践ポイント
快眠によって効率的な筋肉の分解と回復(修復)を行い、筋トレの効果を最大限にするには下記の事に留意しましょう。
7〜9時間の安定した睡眠
平日・休日でリズムをそろえ、まずは30分前倒しを。
就寝3時間前までに食事とトレーニングを終える
夜遅い高強度は交感神経を刺激。やむを得ない場合は軽め+入念なクールダウンを。
タンパク質を日中に分割摂取
20〜40gを3〜4回。就寝直前の重食は避ける。
寝不足の日は追い込みすぎない
負荷を軽減し、量より質を意識。
短い昼寝を活用(15〜20分)
脳と体をリフレッシュ。夕方以降は避ける。
睡眠環境の最適化
ブルーライト・カフェイン・アルコールをコントロールし、暗く静かな寝室に。
まとめ
単発の徹夜ぐらいでは大きな影響は少ないが、慢性的な睡眠不足は筋肉のパフォーマンス・成長に悪影響。
快眠こそが筋肉を守る最大のトレーニングパートナーです。
筋肉はジムで壊れ、キッチンで作られ、ベッドで育つ!
伸ばしたいなら、眠ることをトレーニングの一部に組み込みましょう!
眠りを整えるためには寝具選びもとても重要です。
体に合ったマットレスや枕を使うことで、
睡眠の「質」はぐっと高まります。
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参考文献・資料
- Lamon S, et al. Physiol Rep. 2021.
- Saner NJ, et al. J Physiol. 2020.
- Dattilo M, et al. Med Hypotheses. 2011.
- Knowles OE, et al. J Sci Med Sport. 2018.
- Morrison M, et al. Sleep Med Clin. 2022.
- Hariprasad VR, et al. J Altern Complement Med. 2013.
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